GURPS・キャラクター作成講座

 汎用RPG「ガープス」の最大の楽しみは、奥の深いキャラクター作成ルールにある。しかし、ゲームバランスを知らない初心者にとってはどの能力を上げれば強くなるのかはよくわからない(一般に打高投低といわれる野球ゲームで投手力中心のチームを作るとひどい目に遭う)というのは最大の関門であるし、上級者であってもキャラ作成を完全に極めたという人は少ないだろう。
 ここでは中級者である拓也が現状で知り得るキャラクター作りのコツをレポートする。CP総計は私の周辺で一般的な125CPを想定した。(リプレイもルナル第二部以降ほとんど125CPだし)

@体力
 注意点として、体力は奇数値にしておきたい。9と10、11と12、13と14などでは「突き」の殺傷力が変わらないからだ。(振り武器メインならかまわないが) 
 結論からいえば、白兵戦要員は13、汎用キャラなら11、体力が必要ないなら9にするとよい。8以下にしてもCPをあまり稼げないし、魔法のエネルギー消費の面からもどうかと思う。敏捷力などのCP消費を考えると125CPキャラで体力を15にするのは難しいだろう。
 なお、ガープスの格闘ルールでは体力がほとんど影響しないため、体力を9にしてCPを敏捷力や技能にまわすのが定石である。

A敏捷力
 戦士や盗賊などこの能力をメインに使うキャラは最低でも13、できれば14欲しい。
 13〜15の場合、15CPで敏捷力を上げるか戦闘即応をとるかで迷うところである。戦闘即応を後から経験点で取れることをGMに確認できれば敏捷力でよいが、確認できなかったときや単発セッションの場合「難」の戦闘技能(柔道、空手など)を取るなら敏捷力、「並」なら戦闘即応を取ればよいだろう。
 体を使わないキャラでも11か12は欲しい。

B知力(プラス魔法の素質)
 頭脳労働をあきらめるなら9でもよいが、周囲からバカだと笑われないためにも多少上げておきたい。精神系技能は比較的上げやすいため中途半端な知力でもかまわない。医者や魔法使いでない限り13もあれば十分だ。
 もし魔法を使うなら「知力+魔法の素質レベル」を14にしておくこと。1CPで次の呪文の前提条件を満たせるからだ。
 魔法の専門家なら、「知力14+魔法の素質3レベル」は確保しておきたい。呪文に1CP消費すれば技能レベルが15になり、消費エネルギーが減るからである。(ただしアルリアナ高司祭は知力15素質2にすること。瞬間移動の前提条件が知力15であるからである) CPが許せば知力15+素質3が理想的、1CPで呪文の技能レベルが16になりファンブルやクリティカルの確率に大きく影響するからだ。

C生命力
 もっとも軽視される能力である。戦闘系でも1ケタというのがいる。「我慢強さ」さえあればダメージを受けてもなんとかなるが、移動力にも影響するので多少は上げておきたい。気絶判定対策として「意志の強さ」も検討に値する。

D容貌
 プレイヤーの価値観がもっともよく出るところである。実用性重視でCPを設定しない者、シュミ丸出しで超美人にする者、魅力的にしてメンツを保つ者の3つに大別される。こればっかりは主観なのでコメントできない。なお、NPCの反応を重視するなら「美声」「カリスマ」の方が効率がよい。

E有利な特徴
 戦士系は何はともあれ「我慢強さ」が欲しい。これがないとピヨってしまい使い物にならないからだ。できれば「戦闘即応」も欲しい。他は能力値のCPを犠牲にしてまで取るべき特徴はないかもしれない。「魔法の素質」「容貌」は前述したし。

F不利な特徴
 キャラクターの性格や自分のロールプレイの傾向を考えながらあまり負担にならない物を取っていくべき。長期のキャンペーンの場合、精神的な特徴を取って後から買い戻すのもよいだろう。
 不利な特徴はできるだけたくさん取っておきたい。セッション中にトラブルが起きて目立てるし、他の能力を高くできるので活躍できて2度目立てる。
 お勧めの不利な特徴をいくつか紹介しておく。

・色盲
戦闘にも魔法にも影響しない。

・痛覚過多
直接戦闘する予定がなければ。

・くいしんぼ
ルールブックに書かれているとおり、致命的な欠点でない。

・好色
セッションが盛り上がるので。

実践編

「ルナルで125CP」という一般的な条件で解説する。まず最初に注意したいのは、ガープス全般にいえることなのだが「コイツはどうやって生計を立てているのか」ということである。セッション中に使う能力や技能ばかりにCPを使い、職務質問されたときに答えに困るようなキャラがたまにいるからである。例えば「月に至る子」のジーゼ、

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