ToHeart2

 学園恋愛ADVの流れを作った「ToHeart」の続編。前作から年月がたっており、その間にギャルゲーの傾向が変わってきたこともあり、あまり前作のイメージを引きずらずに新鮮な気持ちでプレイできる(本当はメイドロボも出すつもりはなかったがみつみ美里の強い要望で登場)。タマ姉や愛佳などキャラクターの人気も高く、前作を超えることはできなくとも続編のプレッシャーは克服している。

 先にPS2で出て、エッチシーンを追加してPC移植という通常とは逆パターンになっている。「ToHeartPSE」のようなそのまんま移植の前科があってPC移植に期待していなかったため、PS2版プレイ後にXRATEDが出て後悔した(金よりプレイ時間が痛い)。既出のエロ同人誌のイメージがXRATEDと全く変わらず、みんな東鳩2をよく理解しているなと感心した。


ToHeart2 AnotherDays

「ToHeart2」ではサブキャラの人気が非常に高いため、彼女たちをヒロインに据えて作られたゲーム。キャラ立ちを意識してか伝統のビジュアルノベルではなく一般的なメッセージウインドウ形式のADVになっている。普通サブキャラというのはバランスを考えずに作るため、いざヒロインにしようとするとピンクの髪(間ーりゃん先輩とはるみ)がかぶったり、みつみ氏の担当キャラがやたらと多かったりと通常のギャルゲー製作時にはありえない事態が発生。おかげでボリュームの割に手間がかかり、発売が大幅に遅れた。

 前作での貴明のヘタレ評価にスタッフが開き直ったのか、登場人物がみんな作中で貴明をヘタレよわばりする。それにしてもイルファが定義した「ヘタレ力」って今後のギャルゲーで常用されそうな気が。学園での貴明の女たらし評も磨きがかかっているが、前作ではこのみやるーこなど貧乳組の存在感が強かったのでオッパイ星人というのは違和感がある(そもそもタマ姉ですら90ないし)。あと前作以上にTRPGネタが多いが、意味わかるプレイヤーってどれくらいいるんだ? どうせやるならまーりゃん先輩や愛佳の声優が出演している菊池たけし作品のネタもやって欲しかった。

 シナリオ自体はさほど面白いわけではなく、企画からしてキャラ命のゲームなので、「ToHeart2」をプレイして好きなサブキャラがいる人にのみお勧めする(このタマシナリオは前作このみシナリオの「このみは幼なじみ」エンドが好きな人に)。ちなみに私ははるみが目的で購入した。


キャラクター評

柚原このみ
 かわいいことは確かだが、お子ちゃま過ぎてエロさに欠ける。ここまで色気に欠けるヒロインも珍しい。貴明のベッドにもぐりこんだり、タマ姉が貴明の手をこのみの胸に当てたりと萌えるイベントは多いのだが。タマ姉のお下がりを欲しがっていたが、このみに合うサイズの服ってタマ姉が小学校高学年の頃じゃないのか?

柚原春夏
 これだから「ギャルゲーのヒロインの母親」は・・・ 見た目は「童顔だけど落ち着いた大人の女性」なので気に入ってます。しかし性格はタマ姉と大差ないという気がする、つーことは将来タマ姉が女の子を産んでもこのみそっくりに育ててしまう可能性が・・・ Another Daysでもエッチシーンなしかよ。あれは春夏シナリオというよりハーレムルートという気が・・・ 幼少時はヤンデレ妹キャラだったり、意外とオタク趣味だったりとあいかわらず怪しげなキャラである。

吉岡チエ
 はるみ同様「巨乳で人懐っこい」という貴明は苦手だが太田の好みのタイプ。前作の時点で貴明に脈ありそうな子だったので攻略可能になったのが非常にうれしい。奇天烈だらけのAnotherDaysのシナリオでは彼女が一番ラブストーリーの王道を行っていた気がする。中学の先輩後輩だからカップリングとしても不自然じゃないし。Dカップだった前作から成長しているとのことで打倒タマ姉も夢ではない。

山田ミチル
 複雑な家庭環境があんな性格にしてしまったんですか。よっちと違い脇役に徹したほうがなじむキャラなので彼女がヒロインになると逆に違和感が出る。

向坂環
 ブッ飛んだ性格とナイズバディのため発売前から注目していたキャラ。実際プレイしてみると期待を裏切らないキャラだった。最近は意外なキャラ(D.C.のことりなど)が黒い下着を着ていることがあるが、タマ姉だと違和感がない。それにしてもPS2版プレイ時点で、どこにエッチシーンが入るかバレバレである。XRATEDをプレイして、やっぱりあったかコーディネイター疑惑。

小牧愛佳
 東鳩2で一番エロい。タマ姉のエロさが「想定の範囲内」だったのに対し、こっちは不用意な発言や細かいイベントでドキドキさせてくれる。特に「手綱、引かれているみたい」は名言だろう。「胸の大きな子だけがエロいわけではない。」ことを思い知らせてくれたキャラ。もっとも愛佳とてかなりの美乳だが。
 なお愛佳萌えで、なおかつTRPGの心得があるという方は「アリアンロッド・リプレイ・ルージュ(菊池たけし著/富士見書房)」を読んでいただきたい。プレイヤーの力丸さんが愛佳そのまんまで笑えます。

小牧郁乃
 嫌いなキャラではないが、個人的にあまり「萌え」を感じさせるものがなかったりする。どちらかというのスパイスのような存在感を示しているキャラ(姉が甘菓子そのものなキャラなので)。彼女の一人称シナリオは心理描写が細かくて読み応えがあった。

笹森花梨
 あまりの自己チューぶりにムカついた。プレイ時もテキストをほとんど読んでいない。

十波由真
 見た目はツンデレだが、貴明にケンカを売る彼女があまりにもマヌケすぎて笑える。見た目はかわいいし胸も結構大きいが、プレイ前に雑誌記事を読んだだけではどんなキャラかよくわからなかった。

ルーシー・マリア・ミソラ
 最近のギャルゲーって電波系はお約束になってるな。嫌いなタイプではないが貧乳はちょっとパス。同じ宇宙人でも練馬区の鬼娘や木崎湖の女教師くらいに色気があれば・・・ なお彼女のシナリオはPS2の時点で「やった」らしき記述がある。

姫百合珊瑚
 いきなり貴明にキスしたり、バスタオル一枚で飛び出したり無防備で子供っぽいかと思えば母親のようにふるまうこともある不思議な女の子。お団子頭よりも入浴シーンなどでほどいてるほうが色っぽくて個人的には好みなのだが。XRATEDでバスタオルが外れるときの注意書きはPS2版プレイヤーへのメッセージか? 彼女のシナリオにはTRPGネタがあるが、アクアプラスが大阪の会社ということは太田もコンベンションでシナリオライターに会っているかもしれない。

姫百合瑠璃
 とにかく意地っ張りなことで印象に残るキャラ。姉妹のシナリオは瑠璃の珊瑚やイルファに対する複雑な気持ちがよく描写されていて気に入っている。しかし貴明への気持ちははたしてどうだろうか? エッチシーンは珊瑚とイルファに引きずられただけではないかと思ってしまう。

HMX-17a イルファ
 マルチやセリオには萌えなかった太田だがイルファは気に入っている。落ち着いた感じのお姉さんに見えて、感情豊かでリアクションがかわいいというギャップに萌える。

河野はるみ(HMX-17b ミルファ)
 前作で貴明になついていたクマ吉、珊瑚やイルファのセリフから「強気で一途」というイメージを持っていたがまさか押しかけ女房になって現れるとは。巨乳で元気娘で主人公にベタベタという太田の好みのタイプ。DIA、意訳すると乙女回路。ロボットなのに空気読むのがうまかったりする。ところでイルファとミルファの関係ってタマ姉と雄二に似てないか? 

HNX-17c シルファ
 内気で研究所から出ないという初期情報から来るイメージとはまるで違うキャラクターだった。ツンデレメイドが好きな人にはお勧めできるかも。マルチ以降ギャルゲーではおなじみになった美少女アンドロイドだが、ミルファとシルファのシナリオは「心を持つロボット」についてかなり掘り下げたシナリオになっている。

草壁優季
 PS2では隠しキャラだったが、XRATED発売前にゲーム誌でネタバレ解除になっている。貴明の小学生時代の同級生という設定を利用され、TVアニメでは回想シーンのみの登場となっているのが哀れ。東鳩シリーズの女の子はみんなキャラが濃いので、彼女が一番普通じゃないかと思えてくる。

久寿川ささら
 初登場時は冷たい印象を受けたが、いざシナリオが始まるとかわいい性格をしている。キャラ的には好きなのだが、あのシナリオはどうも気に入らない。タマ姉やこのみにも新しい活躍があったのはよかったが。それにしても生徒会の仕事中に名前の出たこの学校の部活っていったい・・・(前作でおなじみのオカルト研究会はともかく、株やってて独立財源のサークルとは)

まーりゃん先輩
「肉体年齢(実年齢だけでなく、種族や何らかの老化停止も考慮)」と「胸の大きさ」にこだわる太田にとって発育不良は守備範囲外。もっともタマ姉がイジられるという珍しいシーンが見れたのでよしとしよう。ところで「ゴッデスオブ卑怯」と呼ばれた例の大会ってよく考えたら浩之たちの卒業式じゃねーか。AnotherDaysではさらにわけのわからんキャラになっていた。もはや人間かどうかも怪しいし。

菜々子
 るーこシナリオに少し登場しただけでよっちやちゃるほど存在感ないのになぜ攻略対称に? 案の定エッチシーンはありませんでした。しかし彼女のリアクションがかわいくてシナリオは結構楽しめた。どうもはるみと同タイプのキャラらしく、はるみに対抗してエッチな方向に行きかけたシーンも。シチュエーション的には昔の春夏さんに似ているようなのでもう少し彼女を絡めたシナリオにして欲しかった。

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