D.C.II〜ダ・カーポII〜

 サーカスの人気ゲームの続編。前作の53年後という珍しい年代設定になっており(ファンタジーRPGでは数百年後というのもあるが)、前作の主人公の孫娘がヒロインになっている。さくらのシナリオから察するにTVアニメ「D.C.S.S.〜ダ・カーポセカンドシーズン〜」を前提にしているようである。

 前作がアニメやコミックでの盛り上がりを失っていない頃に発表されたため話題性も高かったが、いざプレイしてみると「泡の抜けた炭酸飲料」のような物足りなさを感じた。太田はシナリオをコンプしたのでハマったことは確かだが、「続編のプレッシャー」に負けているような気がしてならない。これは「枯れない桜」という舞台設定に加え、妹キャラの由夢、学園のアイドルななか、奇人杉並など前作のイメージを引きずったキャラが多いため二番煎じなイメージを受け新鮮さを感じなかったのが原因と思われる。その点同じ続編でもキャラのイメージを一新することで成功した「ToHeart2」に比べて損をしている。個人的な意見だが好みのタイプのキャラがいなかった(前作では萌と頼子が好きだった)のも痛い。


春風のアルティメットバトル

 本編発売の少し前にフリー配布されたプロローグシナリオ。本編の9ヶ月前のドタバタを描く。設定の都合上美夏は出ないが、すでにみんなキャラが立っていて本編を期待させてくれた。現在は「D.C.II SpringCelebration」に再録されているがED曲以外に変更点を確認できず。


D.C.II 〜featuring YUN2!〜

 登録ユーザーを対象にDL配信されたミニシナリオ。本編の少し前、「最終試験くじら」の世界から咲倉ゆんがやってきてDC2のキャラをおちょくる話。いずれ「感謝ぱっく」などでの再録を期待したい。


C.D. Chirstmas Days

 サーカスの人気ヒロインを集めたファンディスク。DC2からは朝倉姉妹が参戦している。本編スタート時と同時期のパラレルワールドで、本編では不可能な姉妹丼が実現している。もっともこのディスク、「すくみず2」の世那のエロさや「D.C.〜ダ・カーポ〜」(ヒロインがことりなのでDC2とのつながりはない)のともちょんとみっくんの迷走のほうが印象に残っている。


D.C.II SpringCelebration

 以前から期待されていたDC2のファンディスクだが、シナリオだけでかなりのボリュームになっており、壁紙やミニゲームなどのおまけ要素は無い。義之と攻略した女の子とのその後を描いた「あふたーすとーりーず」、杏の自主制作映画という設定でキャラの設定を変更している「風見学園演劇部〜卒業公演〜」、再録された「春風のアルティメットバトル」とその2ヵ月後の体育祭の話「薫風のアルティメットバトル」から成っている。
 「春風(先行版未プレイなら)」→「薫風」→「あふた〜すと〜り〜ずななか編(薫風の翌年の体育祭)」はこの順番にプレイしたほうがよいが、その他のシナリオは相互のつながりが無いので順番は問わない。


D.C.II P.C.〜ダ・カーポII〜プラスコミュニケーション

 PS2版「D.C.II P.S.〜ダ・カーポII〜プラスシチュエーション」の逆移植版。例によって追加キャラクターにもエッチシーンがある。この逆移植を曲芸商法と呼ぶのはやめておこう。ヒロインが倍増していてもう新作を1本作るだけの手間がかかっているし、そもそも「コンシューマー追加キャラにエッチシーンをつけて逆移植」はF&Cの「Canvas」が元祖。しかし向こうは続編にDCスタッフを起用していて姉妹作とも呼べる因縁を感じる。
 巨乳好きの私としては茜が攻略可能になったのが嬉しいところ。また新キャラは設定・シナリオとも追加キャラにありがちな「取って付けた感」がなく充実した内容になっている。また茜とアイシアのシナリオはDCシリーズのテーマとも深く関わっている。上記で私は旧版を「泡の抜けた炭酸飲料」と評したが、本作は「これが本当のダ・カーポIIだ」と言える内容になっている。


キャラクター評

花咲茜
 巨乳好きの私は旧版発売前からこの時を待っていた。なぜか巨乳キャラってシナリオが雑になるケースが多い(あかね坂のつかさとか、東鳩2のタマ姉も本人のシナリオはあまり良いとはいえない)ので心配していたがDCらしい良くできたシナリオなので安心した。旧版で義之の正体を知っているプレイヤーであれば茜の設定にドキッとするであろう。大人びた外見に反してかわいい性格なのもよかった。今回初めて脱いでくれたがこちらは期待通りであった。

白河ななか
 サーカスが誇る迷家の生まれ(笑)。ことりよりは前作でさくらを「お持ち帰り」しようとしたボケ女の血が濃いように思える。優等生なことりに対して、人懐っこくて小悪魔ちっくなこっちのほうが親しみが持てる。「ときメモ」のような告白シーンや恋人になってからのラブラブな雰囲気が萌える。また本来巨乳好きの太田だが、ななかや東鳩2の愛佳によって「美乳」という属性に目覚めてしまった。
 小恋シナリオやDC2SCでの脇役としての活躍も目立つが、それゆえにアニメ版では便利屋扱いされて終わらないか心配。・・・と思ったらガールズシンフォニーに登場するあたり、実際に便利屋として評価されているのだろう。

エリカ・ムラサキ
 私はツンデレキャラはあまり好きではないのだが、意外とプロポーションがよさそう(ヒロイン中最年少にも関わらず身長2位バスト3位)なので興味を持ってプレイ開始。しかし前半のツン行動は義之に好意がなければできないものばかりで、また後半になるとあからさまなデレモードになって萌えた。後半のツン発言も恋人の立場を前提にしたものばかりだし。結局私はこの程度のツンデレは好きなのだが(おとボクの貴子さんや本作の由夢)、世のツンデレスキーが萌えるという「ツン9デレ1」とかはさすがに理解できない・・・ ところで彼女のシナリオのクライマックスは杉並や雪月花が主役で朝倉姉妹出番なし。アニメとかで姉妹と6人組の活躍を両立させる難しさを痛感。

小鳥遊まひる
 童顔で見た目が愛らしいという第一印象でプレイ。初対面時にいきなり幽霊と名乗るところが前作の幽霊と違うところ。それ以降「幽霊がホラー怖がるなよ」とツッコミまくり。やたらとしゃべるところは「処女はお姉さまに恋してる」の一子と似ている。

藤林 忍
 隠しキャラだけあってシナリオはペラペラ。しかし主人公に熱烈に迫ってくる女の子はギャルゲーでは珍しいので萌えた。ただ彼女のシナリオは他人が出てこないのでイマイチ盛り上がらない。忍が夜這いをかける所に音姉がやってきて・・・というシーンがあれば面白いのだが。

朝倉由夢
 主人公への態度が音夢に似ているとも思ったが、義之にたかったり下級生ということで義之の同級生にかわいがられたりと妹らしさは上がっている。それにしても彼女が大人になったら典型的なズボラ女になりそうだ。音姫ねーちゃん、義之より実の妹の心配したほうがいいよ・・・
 バスト79で「薄い胸」と記述されているがウエストが反則的に細いのでアンダー60のDカップはあってもいいんじゃないかという気がする。

朝倉音姫
 姉キャラなのに貧乳というのは非常に凹んだ。このタイプのお姉ちゃんは谷間で主人公を抱きしめるのがお約束なのに・・・ キャラ紹介では「甘やかしお姉ちゃん」となっているが、イベントによってはタマ姉より怖い印象を受けた。つーかエロ本見つかったときはマジで背筋が凍った。
 話はそれるが、風見学園で「おとボク」の奏みたいなリボンをしていても生徒会長がアレでは取り締まれん。

月島小恋
 義之の幼なじみだが周囲が濃すぎて印象に残りにくいキャラ。杏と茜にエロエロ扱いされていたが、エッチシーンで黒い紐パンを着用しているので納得。
 86cmとイマイチなのと茜のインパクトのせいで当初は巨乳キャラのイメージがなかったが「D.C.II SpringCelebration」では胸を強調したCGが増えた。

高坂まゆき
 旧版の頃から義之によく絡んでくる先輩だと思っていたが、彼女のシナリオに入ると最後までラブラブモード一直線。現実に姉の友人と恋仲になるってこんな感じなのか・・・と思ってしまった。音姉も2人の関係は完全に認めているし。

天枷美夏
 昔から思っていたのだが、ロボット属性の女の子ってなぜ理想的な体型で作らないのだろうか? 私はツンデレに興味がないオッパイ星人なのでこのキャラに萌えることができなかった。
 しかし以前から疑問に思っていた「メイドロボにそっち系の機能つけたら来栖川エレクトロニクスが婦人団体に叩かれないか?」ということに対してちゃんと取り組んでおりシナリオ的には気に入っている。

雪村杏
 ロリ体型に毒舌に生徒会長、どうも田村ゆかりがやっていた某キャラに思えてならない(ゆかりんはアニメ版に出るとしてもさくら役なのでありえないが)。でも私は発育不良は守備範囲外。

アイシア
 彼女のシナリオは完全に「D.C.S.S.〜ダ・カーポセカンドシーズン〜」の後日談。ただ彼女がなぜ付属の制服を持っているのかという疑問がある(アニメでは本校に編入していた)。彼女のシナリオで義之が消えなかった理由から林原めぐみ版ミンキーモモの最終回(旧モモが重要な役割を果たした)を思い出したのは私だけだろうか。

沢井 麻耶
 変人に振り回される一見苦労人だが自分も暴走しがちというコメディにありがちなキャラ。旧版やアニメで彼女とメイドロボの関係に既に触れられていたが、本人のシナリオではさらに掘り下げた内容になっている。しかし色気面のインパクトがないのでどうしてもコメディ的なイベントしか印象に残らない。クリスマス特別メニューの予想で賭ける話とか。

莉乃
 イベントを紙芝居で演出するあたり隠しキャラゆえの手抜き感がある。私は子供っぽい外見はちょっと・・・ 森の中に住んでいるのが爆乳妖精だったらよかったのに(ゼロの使い魔」かよ)。

芳乃さくら
 DCシリーズの諸悪の根源、いやマジで。続編に彼女が出るということは予想できてはいたが、外見が全く変わっていないとは・・・てっきり年齢不詳の巨乳美女になっているとばかり思っていた(←そりゃあんたの趣味だよ)。シナリオ「D.C.」の彼女を見ていると「D.C.S.S.〜ダ・カーポセカンドシーズン〜」のアイシアの呪縛にとられているのではと思ってしまう。鍋に木琴と萌の影響を受けているのは気のせいか?

朝倉純一
 前作の主人公で、ヒロインの祖父だが出番は少ない。それにしても前作での彼の伝説って現在の生徒会にどのくらい伝わっているのだろうか? 和泉子や萌のネタは残っていたが。

板橋渉
 テンション高いバカ、ラブコメにはよくいるよな。

杉並
 前作との関係など疑問が多いが太田はあまり興味がない。あえて仮説を立てるなら「杉並」というのは初音島に派遣される諜報員のコードネームではなかろうか?

水越舞佳
 父親は前作の水越弟だろうか?

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