ながされて藍蘭島

 藤代健の人気ラブコメコミックのアニメ化。女だけの島に男が漂着するという、このネタを今まで誰もやらなかったのが不思議なハーレムもの。お色気やギャグをまじえながら不思議生物や美少女との日常生活が描かれており、「萌え」と「ほのぼの感」が感じられる作品。ヒロイン側に性的羞恥心という概念がなく(男がいない環境で育ったのだから身につくはずがない)女の子が平気で裸になるため、少年マンガとしての歯止めをかけるべく主人公が鼻血を出して終わるようになっている。この作品を「スクールデイズ以上の鮮血アニメ」と呼ぶのは私だけか? ちなみに最終回の行人が藍蘭島に戻るシーンで「nice boat」というツッコミも。

 ところで私は今まで、ギャルゲーやハーレムラブコメでメインヒロインに萌えることがほとんどなかった。しかし本作のすずはロリで巨乳で猫っぽい性格ということもあり気に入っている。他にはしのぶやりんが好み。

 さてアニメ版のほうは、序盤こそ出来がよかったが、話が進むほど作画もシナリオもダメダメになっていった。前半では原作エピソードをうまくアレンジしていたが、後半では原作の気に入っているシーンが削られて不満が募った。特にシナリオ改変のおかげで出番を抹消されたキャラがいるのはどういうことか? ちづる(まち・あやねの母)は原作ではレギュラーで話にもよく関わっていたのでいないとさびしい。しのぶや学校のエピソードでくないとこころを出さないのは手抜きにしか見えない。みちるに至ってはラストシーンだけ。

 作画はよかったものの、ラスト3話も不満が残る。アニメオリジナルストーリーとして期待させたもののあまりひねりのない展開で失望した。特に美咲と再会してからの展開はベタ過ぎ。こんなことなら素直に原作の狩り物競争編をアニメ化すればよかったのに。実際第25話のしまとら戦とからあげ戦は狩り物競争が基になっている。

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